オーストリア2連戦が終わりF1の舞台はハンガリーのブタペストへ。
終始独走しレース中継にほとんど映らない圧倒的な速さのルイス・ハミルトン(メルセデス)。
それを追うレッドブル・ホンダという図式は全く変わらなかった。
ただ、レッドブルチームのレースはドラマチックで夢を感じた。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はレース前にピットからコースグリッドに向かうためのレコノサンスラップでまさかのコースアウトからクラッシュ。
レース前にリタイアか?という絶望の状況からフェルスタッペンは2位獲得を勝ち取った。
ということで、今回のハッピーポイントはレッドブルチームの超一流の仕事術を生で見れた点である。
頂点で戦う者の心理構造
フェルスタッペンの完全に壊れたサスペンションを見て「彼のレースはスタート前に終わった」と思った。
グリッドまで辛うじて戻ると、10名程のメカニックがマシンを取り囲み慌ただしく修理にあたる。
マシンから降りて修復を見ていたフェルスタッペンは何を思っていただろうか。
だが、チームメカニックはレース開始タイムリミットの25秒前に修理を完了させた。
その後、フェルスタッペンは7番グリッドから好スタートを決め最終的に2位を勝ち取った。
一般人なら「自分のミスで台無し、大勢の人に迷惑をかけた・・・」と自責し気持ちが沈んでしまうだろう。
一方のフェルスタッペンはミスさえもエネルギーにして、より集中力を高めて自分にできる最大限の仕事をした。
このミスでさえも自分を良い流れに導いてしまう”気持の切替え力”に感心させられた。
オリンピックでも観客をあおって手拍子させ、視線を集めてから競技開始する選手がいる。
この場合も、その場の空気や時間を自分の世界に作り変えてしまい”気持ちを切替え”ているのだろう。
両者に共通しているのは、周りの人たちの気持ち(期待や応援、失望でさえも)を自分のエネルギーにして、自分のもつ最大能力、またはそれ以上の結果に導いているという事だ。
私たちの生活でも、たった一人で考え生きるよりも、家族や友人、仕事仲間などにと一緒にいることで自分の”生きる力”をより伸ばすことが出来ると思う。
ふと、そんなことを考えさせられたフェルスタッペンとレッドブル・ホンダチームのレースだった。
メルセデス以外の優勝はあるのか
ちょっと脱線してしまった・・・ハンガリーGPの話に戻ろう。
これまでの3戦を見ても、昨年より更にメルセデスが圧倒的な力を見せている。
セーフティーカー出動や天候に振り回されるレース展開でなければ、毎回メルセデスの圧倒のみでシーズンを終えてしまいそうだ。
あとは、チームメイトのバルテリ・ボッタスが安定した速さでハミルトンに食らいついて譲らないバトルを展開すること。
かつてのニコ・ロズベルグのようにハミルトンを追い込むバトルがあれば、後続のチームにもチャンスが生まれてくるだろう。
今年は、同一コースでの連戦もあるので毎回異なる展開のレースが観れることを期待したい。
主な出来事
PP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
1位 ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2位 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
3位 バルテリ・ボッタス(メルセデス)
・レッドブル・ホンダは不安定なパフォーマンスで予選7位に沈む
・ランス・ストロール(レーシングポイント・メルセデス)は過去最高の予選3位
・ルイス・ハミルトン(メルセデス)がポールポジション・ファステストラップ、優勝のグランドスラム