こんばんはハッピーサトさんです。
今日はF1でグラウンドエフェクトを追求し開発された幻のロータス88(Lotus 88)の写真紹介です。
ロータス88は1981年用にコーリン・チャップマンが開発したマシン。
レギュレーション違反を問われ実際にレースを走ることはなかったが、グラウンドエフェクトを追求した仕組みのツインシャシーという斬新な設計。
写真は2015年に開催されたF1日本GP(鈴鹿サーキット)にマシンが来場したときに撮影しました。
↓2015年 F1日本GPの記事はコチラ↓
それでは写真を見ていきましょう^^!
ロータス88 フロント

まずはロータス88を前方から。
カーナンバー11は当時のファーストドライバーであるエリオ・デ・アンジェリスの車。
パートナーはこの年からF1フル参戦となったカーナンバー12のナイジェル・マンセル。
グラウンドエフェクトを最大化・最適化するために設計されており、最大の特徴はツインシャシー構造にある。
その名の通りマシンは2つのシャシーから構成されていて、モノコックシャシーの上にスプリングを介して載せた可動式のカウルがファーストシャシー、一般的にシャシーと呼んでいるモノコックはセカンドシャシーとなっている。
この可動式カウルは時速100km/h以上になるとダウンフォースが発生し沈みこむ仕組みになっている。
可動式カウルはサイドポンツーン側面やリアウイングまで一体化しているため、高速になりカウルが沈みこむと側面が地面と接触してスライディングスカート状態になる。
このように、セカンドシャシーではサスペンション足回りからの力を受け、稼働するファーストシャシーでダウンフォースを受け取るという仕組み。
これによりグラウンドエフェクト増大に対してガチガチにサスペンションを固めて車高・姿勢を一定にすることなく、柔らかいサスペンションを使用できドライバーの身体的苦痛を改善できるものでもあった。
ロータス88 サイド

マシンサイド部分はリアタイヤの内側を通り抜けリアウィングまでつながる巨大な一つの”面”になっている。
F1マシンに巨大な側面・・・ちょっと異様な外観ですよね^^;
この1981年はサイドポンツーン下の空気を遮断するための可動式スライディングスカートが禁止され、最低地上高も60mmと規定されている。
このマシンは、こうした規定を”裏技”で抜けようとした革新的な設計で、一応車検は通ってフリーでは走行したが、ライバルチームからの猛抗議を受けて予選・決勝は走れなくなってしまった。
結果的に1981年はこのマシンのセカンドシャーシをそのまま流用し、抗議対象になったファーストシャシーを取りやめて稼働しないカウルやウイングを搭載したロータス87でシーズンを戦った・・・。

ちなみにミラー状になったマシン側面とリアウイングの「ESSEX」はメインスポンサーだったが、第6戦モナコGPを最後にスポンサーを降り、お馴染みJPSがメインスポンサーを継いでいる。
やっぱ、真黒なロータスがカッコいい^^!
ロータス88 リア


この写真は富士スピードウェイのイベント時の写真ですがマシンに接近できました^^!
カウル後方の上面に穴が開いており2本のスプリングとエキゾーストパイプが見てる。
搭載エンジンはV型8気筒のフォードDFV、470馬力、最高回転数11,100rpm。
隙間から見えるLOTUSの刻印が素敵♪


マシンのお尻アップ^^;
ロータス88走行動画
2015年のF1日本GPにてロータス88のデモランやエンジン始動の撮影が出来ました。
幻のマシンが走っている姿を見ることが出来てとても感激でした。
夕方は冷え込みましたが、それでもフォードV8にしっかりと火が入り元気よく走ってくれました。
さいごに

ロータス88は他チームからの講義もあり使用禁止との事で実践には投入されませんでした。
このユニークな設計もチャップマンらしい感じがしますね^^;
また、この翌年1982年にはアクティブサスをF1で初搭載、しかし年末の12月16日に54歳という若さでF1発明家チャップマンはこの世を去ってしまった。
さて、このマシンは現在も走行可能でデモランやヒストリックレースにも参戦しています。
機会があればレースしている姿も見てみたいですね。
それではまた^^!